居酒屋さんや料亭なとで、お刺身の上にパラパラと乗っていたり、お皿の隅に盛られて出てくる赤紫色の葉っぱがあります。
外食先でお豆腐や、サラダに散らされていることもあります。
見たことはあっても、名前まで知っているという方は少ないのではないでしょうか。
ただの飾り程度にしか思わず、ついよけて残していませんか?
その正体に迫ってみました。
刺身のかざりに蓼(タデ)
刺身のつまとして誰もが見たことがある、紫色のふたばで茎が短いその名は「タデ(蓼)」といいます。
刺身のつまとして用いられる赤紫のタデは、「ベニタデ(紅蓼)」という種類になります。ベニタデは主に、福岡や、大阪、広島、静岡などで作られています。
タデの種類
タデには、
- ヤナギタデ(柳蓼)
- ベニタデ
- アオタデ
- イヌタデ
- ハルタデ
などの種類があります。
料理に使われるのはヤナギタデで、別名をホンタデ、マタデなどといいます。
葉が柳に似ていることから付けられたタデ科の草で、一年草です。
ヤナギタデの同一種にはその色によって、ベニタデ(紅蓼)、アオタデ(青蓼)、があります。特有の香りと辛味があり、香辛料や調味料としても用いられています。
刺身のつまとして使われるベニタデは、ヤナギタデの同一種の変種で、生えたばかりの芽を収穫したものです。
ベニダテには栄養があるの?
ヤナギタデに含まれる辛味成分のポリゴジアールには、抗菌作用があるとされています。
また、ベニタデには、ポリフェノール類が豊富で抗酸化性が高いといわれています。中でもイデインとルテインという2種類の機能性素材が含まれていることがわかっています。
イデインは、赤血球変形能改善・血糖値低下・肝機能改善・ 視力回復に、ルテインは加齢による目の病気に対する効果も期待されています。
また、ビタミンCはレモンよりも多く含まれています。タデを残している方は、美肌に近づくチャンスをみすみす逃していたかもしれません。
タデは川沿いに生えている
タデは、陸地よりも水辺に多く生息しております。川沿いなどでも見かけることができます。
自然の多い川や田んぼの近くでも生えてるのを目にしますが、イヌタデは食用にはならず辛み成分もありません。
一番のポイントは、かじった時にピリッとくる辛みがあるか、ないかだぞ!
先生
ナツメ
先生
ナツメ
ことわざのタデと同じ?
「蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)」ということわざがあります。
これは、辛いタデを食べる虫もあるように、人の好みもさまざまである、ということです。
このことわざに出てくるタデというのは、ピリッと辛いヤナギタテになります。
ナツメ
先生
タデ酢とは?
鮎の塩焼きに、緑色の鮮やかな合わせ酢が添えられることがあります。
タデ酢と呼ばれるもので、鮎の塩焼きの臭みを消す効果もあります。酢が加えられているため、サッパリとした後味です。
作り方はシンプルでも相性は抜群です。
タデ酢の作り方
- ヤナギタテの茎をとり、葉の部分だけをよく洗います。
- 葉をすり鉢ですったものに、ご飯粒を数粒入れて練ります。
- 酢と水を入れて混ぜ合わせます。
先生
自然のヤナギタテが手に入る環境ならば、鮎の塩焼きと一緒にタデ酢も作ってみてください。
最後に
小さいけれど頼れる存在、それがタデです。
沢山食べるものではないですしあまり普段は食べる機会がないですが、外食した時にベニタデがちょこんと添えられて出てきたら、ぜひ薬味として一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。